【条野採菊】
□夜に泣いている少女
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事情は知らないが話してみたら良いと言うと話し始めた。
上下関係で成り立っている自分が恐ろしいと
また無駄な努力をしたと泣いていた。彼女はいつもそうだった。決して怠けていたわけではない。一生懸命頑張って、普通の人なら手を抜くところも凝ってしまい、しかし上を見るのをやめられない愚かな子供なのだ。切羽詰まった声で彼女は夜になるのが怖いと泣いていた。
体が壊れ、死の匂いは着々と近づいて行く。どんなものにも終わりがある。それが恐ろしかった。
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