リクエストの空間A

□パンドラの箱
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「昨日言った事が聞こえてなかったのか?逆巻シュウ。」

ルキは玄関先で呆れた表情をした。
俺は今無神の屋敷に来ていた。
学校では一度も声を掛けてないし見かけるだけで近づいてはいない。
俺の予想通り、夜空には大きな満月が浮かび、俺達を淡く照らしていた。

「二度と近づくな。聞こえてはいた。でも"ヤるな"とは言ってないよなぁ?」

「……はぁ、都合のいい解釈だな。だが、俺の言葉のあやが招いた事だ。」

少し考え込む素振りを見せてルキは、何も言わずに俺を屋敷の中に招き入れた。
ドアがキィッと耳障りな音を立て、バタンと閉まる。
そして、ドアに寄りかかったルキが自分のネクタイを緩めながら……

「……ヤりに来たんだろう?」

あぁ、身体だけの関係なんて俺には耐えられそうもない。
あんたの"心"が欲しい。
陶器のような白い肌に指を這わせ、首筋をなぞる。
行為が始まれば"条件"も始まる。
だけど、俺は今日それを壊しに来た。

「ッ、今日は残念な事に、あいつらは用事があって帰ってこない。」

残念そうな顔、してないんだけどな。
最初は条件の通りにルキを後ろ向きにして愛撫を施す。
柔らかい耳朶を甘噛みしたり、首筋を舐めたりしながらワイシャツのボタンを外した。
冷たい素肌に手を這わせ、既に主張を示している胸の突起が指に触れた。
その途端ルキが息を詰めてビクッと反応を示す。
その様子に喉の奥でくつくつと笑いながら、愛撫を続ける。
横目でルキの下腹部を見れば、そこは既にズボンを押し上げシミを作っていた。
首筋に軽く牙を当てれば、ルキの身体が硬く強張る。

これは、吸血の合図。

それを見届けた俺は愛撫を続けながら牙をその肌に突き刺した。
人間もヴァンパイアも、恐怖を与えれば苦くなり快楽を与えれば甘くなる。
牙を食い込ませた瞬間に溢れる甘い血は、ルキが快感を拾っている証拠。

「ッ……く、ぁ、んッ……はぁ、はぁ……」

口内に溢れる血は俺の喉を通り身体全体に栄養として回っていく。
ルキの身体を掻き抱きながら血を吸っていると、ルキがか細い声を出した。
チラッと横目でルキを見れば、その瞳は潤み頬は高揚の色を示していた。
こいつ、俺に吸われてる時こんな顔したんだな。
ヤバイ。その表情、すげぇそそるんだけど……

「お、い……ここで、最後までスる、気か?」

俺は無言のまま牙を抜いた。
白い肌に付いた二つの赤い痕から血が垂れる。
もったいない。こいつの血は、俺をおかしくさせるな。
ルキの身体を抱き上げれば、素早く俺の首に腕を回して顔を隠す。
顔が見えるチャンスだと思ったんだがな。
まぁ、いい。これから十分見れるんだからな。

「ッ、早くシろ……」

ルキの部屋に入りベットに降ろせば、自分からベルトを引き抜き床に投げ捨てた。
興奮した欲がズボンを押し上げて辛いんだろうな。
かと言う俺も、さっきからキツクて死にそうだ。
手伝うようにルキのズボンを降ろせば、自らベットに横になり腰を突き出す形になる。
生唾を飲み込みながらその光景を見届けた後、下着の上から勃ち上がった自身を撫でた。
下着には既に先走りが染みていて俺の指をじっとりと濡らす。
その行為にもどかしくなったのか、ルキから早くとおねだりをされた。
あぁ、そう言うのは反則だ。余計焦らしたくなるだろ。
後ろの穴が見える所まで下着をズラす。
前はまだ触らない。

「ッ、おい!」

後孔を舐め、開くように施す。
グリグリと舌先でねじ込むようにする時もあれば、ただ舐めるだけも時もある。
緩急を付けながらしていれば、次第にルキの腰は揺れ出す。
そうすれば硬く閉ざされた蕾は簡単に花を開く。
花開いたそこに舌をねじ込めば、ルキの腰がビクッと跳ねナカがキュッと締まった。

「はぁ、ッ……ぅあ……」

十分ナカを舌で堪能して舌を引き抜けば、そこはヒクヒクと収縮を繰り返していた。
ルキもシーツを握りしめ、ビクビクと身体を震わせている。
ほんと、あんたって感度良いよな。
俺が開発したって言うのもあるかもしれないが、元々こっちの気質があったんだろうな。
指で軽く撫でるように弄れば、そこは俺の指を飲み込もうとする。
焦らすように触りながら覆い被さるように身体をズラす。
空いている手をルキの口元に近づければ、言わなくてもルキはおずおずと舌を突き出し俺の指を舐める。
首筋を舐めながら口の中にある指を動かせばくぐもった声が響いた。
ルキの喘ぎ声を聞いた事がない俺からしたら、それだけでも十分そそられるものがあった。
もういいと言うように指を引き抜けば、透明な糸が唇と指を伝う。
唾液で十分濡れた指を物欲しそうにヒクつく後孔に添え、軽く力を込める。
そうすればルキのココは待ってたと言うように飲み込んでいく。

「んッ、はぁ、はぁ……」

あんまり力入れてないんだけど……
唾液で滑りがいいのか、ナカにどんどん指が飲み込まれていく。
根元まで入った指をゆっくり動かせば、ビクビクと面白い程に腰が跳ねる。
ナカに唾液を馴染ませ、俺のが入るように拡げていく。
何度も身体を重ねてココに俺のを咥え込んでるからか、すぐに拡がっていく。
ぐちゅぐちゅと水音が鳴るように動かせば、ルキの吐く息も段々と早くなっていった。
バラバラに動かしたり、激しく抜き差しを繰り返す。

「ッ……!は、ッ、ぁ……や、め……イッ……」

そう、俺がやってるのはルキをイかせようと指を動かしていた。
ルキがイけば行為は終わり。暗黙の了解となりかけていた。
まだ俺自身は出してもいないのにイかせようとしてる事に驚いたのだろう。
初めてルキから俺の腕を掴んで止めようとした。
だけど、うつ伏せで腰だけ高く上げてるような状態だ。
伸ばされた手は届くはずもなくシーツに落ちた。

「ッ……!!」

ルキの身体が激しく痙攣をし、ナカは激しく収縮を繰り返し俺の指を締め付けた。
ゆっくりと指を引き抜けばトロッと愛液が溢れ出しヒクヒクと蕾も痙攣を繰り返す。
下着を全部脱がした訳じゃないから、気持ち悪いだろうな。
イったばかりの自身を下着越しに触れば、ビクンと大袈裟に身体が跳ねる。
……下着の中、ぐちゃぐちゃだろうな。
いつもならここで終わりだが、まだ終わらせない。

まだ付き合え。

息を上げて余韻に浸っているルキの後孔に、そっとある物を添えた。
そして、ぐっと奥に押し込めばナカは俺の指とそれをキツク締め付ける。

「ッ!!おい、何を挿れた!もう終わりだろう!……ッ、あ……」

今までこんな事はなかったから混乱したんだろう。
ルキは自分から"条件"を壊した。
俺の方を、振り向いたんだ。
その事にルキは気づき、短い声を上げた。
あぁ、やっと顔が見えた。その顔が見たかった。
ルキの顔は快楽に染まり、妖艶な表情になっていた。
潤んだ瞳に、高揚とした頬。そして、唾液で濡れた唇が更に表情を良くしていた。
俺の口角は自然に上がり、ルキの唾液で濡れた指を舐めながら笑った。
あんたが自分から条件を壊したんだ。
もう喋ってもいいよなぁ?

「ははっ、あんたが壊してどうすんの?」

ルキは俺から目を背けず、ただじっと見ていた。
そんな表情のあんたに見つめられると、ヤバイんだけど……
知らずに俺の事を誘ってるって、気づいた方がいいよ?
制服のポケットに忍ばせているスイッチに、手を掛けた。

「ッ……!?な、に……ッあ……何、挿れ……」

「んー?ローター。」

ポケットからスイッチを出し、見せつける。
伸びているコードをわざとらしく指で辿り、その行き着く先がルキのナカだと言う事を自覚させた。
ルキは自分の手で口を押さえ、ビクビクと身体を震わせながら抜こうとコードに手を伸ばす。
それを俺が許すと思う?あんたの声が聞きたいんだ。我慢せずに出せ。
手早く腕を掴み、頭上で一纏めに押さえ付ける。

「ッなせ……!はぁ、はぁ……ッ……!」

潤んだ目で睨み付けられても怖くないんだけど、寧ろそそられる。
快楽を拾いながら抵抗するなんて、無駄な事だと思うんだけど……
ルキの首に掛かったままのネクタイを解き、手首をそれで少しキツめに縛った。
ビクビクと身体をヒクつかせながらも声を出すまいと頑なに口を噤んでいた。
そこまでされるとほんと無理矢理にでも啼かしてやりたくなる。

「うわ、凄いドロドロ……気持ち良かったんだな。」

下着を脱がせば、ドロッと白濁した精液が伝う。
ぐちゃぐちゃになった下着をベット下に投げ捨て、ルキの身体を仰向けに反転させる。
ローターの感覚にビクつかせてる腰を撫でれば、息を詰めて身体を仰け反らせた。
可愛い反応。触れただけでもダメなんだな。
ローターのコードがナカから垂れ下がっている光景がより俺を興奮させる。
ベルトを引き抜き、ズボンの中で窮屈になっている自身を取り出す。
それは硬く勃ち上がり、ビクビクと血管を浮き上がらせ脈打っていた。
まぁ、こんな乱れた姿見せられたらこうなるのも当然だな。
ルキの腰を掴んで引き寄せ、熱い欲を後孔に押し当てた。

「や、め……今、挿れ……ッーーー!?」

逃げないように腰を押さえ付けゆっくりと押し込む。
俺の形を覚えてるそこはいとも簡単に俺のを飲み込んでいった。
それにナカも、いつもと違ってキツクてやばい。
一度イかせてから挿れてるからそのせいだろうな。
半分まで入ったのを確認し、奥まで腰を打ち付けた。
その時急にナカがキツク締まり、ルキは身体を仰け反らせた。
自身からはビクビクと欲を吐き出し、白い肌を更に白く染めていく。

「……なに?トコロテン?」

俺の問いにルキは答えず、ただ息を上げてガクガクと身体を震わせていた。
それに、ナカにあるローターが先端に当たって俺も気持ちがいい。
呼吸を忘れたかのように口をパクパクさせて目を見開いてるルキの表情はそそるものがある。
あんた、こんな顔して感じてたんだな。

「ッ、ッは……抜、け……ぅあ、触る、な……動く、な……」

頬から首筋、胸元と下がるように触るだけでルキの身体は面白い程にビクつく。
ゆっくりと動けば、きゅっとナカがキツク締め付けてくる。
それにこの感覚、俺は何度も知ってる収縮の仕方だ。
もしかして、あんたが一度イったら終わりにしてた理由、これか?

「……あんたさ、もしかして一度イくと感度が跳ね上がるから俺が途中でもやめてたんだ?」

「ッ……!」

息を詰めたようにはっとするルキ。
否定しようとしてるんだろうが、身体は肯定してる。
俺のをキツク締め付けたまま離さない。
言った瞬間に締まったしな。

「まぁいい。後でたっぷり、言い訳は聞いてや、るッ!」

「ッーーー!?」

腰を掴み、激しく突きあげる。
ルキは唇を噛み、声を上げないようにしながら感じていた。
ローターを奥に挿れるように突き上げれば、自身からは壊れたようにポタポタと精液が零れ落ちる。
いくらなんでもこれは、感じすぎ。ナカもさっきからイきっぱなしだしさぁ?
声出せばもっと気持ちいいのに……
それに、こんな感度が良くて今までよく無事だったな。
純潔のヴァンパイアの中には男色を好む好事家も多い。
ルキ達無神家は元人間の混血種のヴァンパイアだ。
純潔種のヴァンパイアに捕まれば逃げるのは容易じゃないはず……
そう考えると、あんたを捕まえたのが俺でよかった。
こんな妖艶で淫乱な身体、俺以外に渡したくはない。

「はッ、強情だな。声、出せば……?」

「ッ、ッ……!!」
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