本棚2
□LOVE ME DO
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(南国とPAPUWAの間、2010年ハロウィン)
※硝子のキャンディの続きです
「ハーレム。こんな所で寝るな、起きろ」
「…ん、ぅー…?」
肩を揺すられ、微睡んでいた意識が現実に引き戻された。
どうやら報告書を書き終えた後で、そのまま机に突っ伏して寝てしまっていたらしい。
のろのろと顔を上げると、キンタローがいつも通りの仏頂面でこちらを見下ろしていた。
「決裁、通ったぞ」
「ん…そォ、か…」
まだしょぼつく目を擦りながら、あくびを噛み殺す。
「眠いのならキチンとベッドで寝ればいいだろう。こんなところでは体調を崩す」
「いや…お前待ってたらよォ。つい、な」
「待って、いたのか」
「ンっだよ、そんなに意外な事か?」
悪戯坊主を待っててやったんだっつの。
ついでに決裁の礼のつもりで、立ち上がってデスク越しに唇を重ねた。
軽く啄んだだけで直ぐに離すと、今度は逆に後ろ頭を抱え込まれて深く口付けられる。
「ふ、う…っ、」
少なからず驚いて、咄嗟に反応出来なかった。その隙をついて歯列を割って侵入してきたキンタローの舌が、口内をかき乱す。
くそ、上手くなってやがる…!
「は…、もう膝が笑っているのか」
「お…まえ、どこで覚えてくんだよ、こんなキスの仕方…ッ」
立っていられずに、フラフラとまた革張りの椅子に身体を沈める。
ああもう、疲れているからか身体が反応するのも早い。燻り始めた熱が、腰にジワジワと集まってきた。
「ちょ、おい…?」
デスクを回って来たキンタローの方に椅子を向けられ、抱え上げられるのかと思ったその手で、服を乱されて少し焦る。
「ベッドに、行こうかとも思ったんだがな。この方が悪戯らしいだろう?」
「あ…っ、は…!」
上から覆い被さってきたキンタローに首筋を舐め上げられ、肌蹴た服の隙間から差し入れられた両手で乳首をいきなり刺激されて、身体が跳ねた。
「ンあっ、本気、かよ…っ」
「当たり前だ」
「っ、ふ…ッ」
急に尖りを摘まみ上げられて、鼻に掛かったような息が漏れる。
片方の手が上着の飾りベルトを解き、更にはズボンのベルトにも手が掛かって、本当にこんな所で抱くつもりなのだと再認識させられた。
それも器用に外されて前を寛げられると、緩く勃ち上がった自身が下着を押し上げているのが何とも言い難い。
「ハーレムもまだ若いな」
「わざわざ言うな…っ、あ、んンッ」
「ここもこんなに尖らせて。敏感なのにも程があるぞ」
「ゃ、っあ…!」
片方は指でこねくり回され、反対側には歯をたてられて、椅子が軋むほど背を仰け反らせて喘ぐ。
かわり、突き出すようになった前にも下着の上から指を這わされて、ビクリと腰が揺れた。
「ふあ、アッ!」
「可愛い反応をする…」
「ん、ぁ…。きん、たろ…?」
一旦身体を離したキンタローに髪をそっとすかれて、少しくすぐったい。
何だ、いきなり。
「少し、伸びたな」
「…お前はそうしてっと兄貴にそっくりだ。まるっきり、鏡に映したみたいに…」
「身内とは言え、こんな時に他の男を引き合いに出すな。酷くされたいか?」
秘石眼が一瞬光った気がして、首を竦める。
頭では解っているが、幼い頃の刷り込みというのは中々恐ろしいもので。
それを知っているキンタローもそれ以上脅すような真似はせず、困ったような笑みを浮かべながら、額にキスをひとつ寄越した。
「ハーレム…」
「ん…っ、ンッ!」
再び、重ねられた唇。
それに気を取られていたら、自身を直接握り込まれて思わず目の前の身体にしがみついた。
しかしやんわりとその手をほどかれ、足の間に跪いたキンタローに下着をずらされる。
「ッふ、あ…ぇ…?」
「ン…」
「あ、アッ?!ゃ、やめ…っ」
口に、含まれたと認識するよりも早く背筋を突き抜ける快感に、声が抑えられない。
「ぁうッ、ン…っ、ひ、ァあっ!!」
足の間で緩く上下しているキンタローの頭を掴んで制止しようとするが、力が入らずに僅かに髪を引っ張るのが精一杯だ。
「ん…、は、嫌…か?」
「ぁひっ、ア、しゃべ…ンな…っ!!ッや、も…離せっ、でる…ッ」
「一度、出しておけ…」
「ちょ、マジ…やめ、ぁ、ア――…ッッ!!」
水音を立てて先端を吸い上げられると、もう、止められなかった。
一気に熱が弾けて、達した感覚に目の前が白く染まる。
「ん…」
「ッ、おま…!そん…っ、飲むなよ…っ」
とりあえず睨み付けてみるが、溢れた涙で視界が霞んでいて迫力なぞ皆無だろう。
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