03/01の日記

15:25
雪の日にかけられた魔法
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ふわふわ、ふわふわ
白い花びらが空から降ってきていた。

「ねぇ、イギリス。この白いふわふわしたのは何?」
「これは雪だ」
「雪?」
「あぁ」


空を見ていたアメリカをイギリスはそっと抱きあげフワリと笑った


「花びらみたいで綺麗だろう?」


そう言ったイギリスの笑顔があまりに綺麗で、雪よりイギリスに見とれていたのを覚えているーーーー。






[雪の日にかけられた魔法]






「へっくしゅん!」


ズルズルと鼻を啜る。
朝ちょっと温かかったからといってマフラーをつけて来なかったのが失敗だった。夕方から冷えるとわかっていたのに忘れてしまった。
……馬鹿だ。馬鹿だとしか言いようがない。
こんなところ、イギリスになんて見せられないな。とアメリカは空を見上げた。

すると、空からハラハラと白い花びらが降ってきた。
それを手の平で受け止めればジワリと溶けて消えて無くなってしまった。


「シーザス…。」


寒いと思ったら雪まで降って来てしまった。
はぁ…とため息を着きながら、また空を見上げる



こんな風に雪を見ると思い出すのは彼との、イギリスとの思い出。
抱きしめてくれた腕の温もりはもう思いだせないけれど、あの日見せてくれた笑顔だけは脳裏に焼き付いている。

幸せだったあの日が恋しくないとは言わない。
ただ、そこにある幸せは家族としての幸せで、自分の求めている幸せとは違ったのだ。
後悔がないとは言わないが、きっといつかはこうなっていたのだろう。

自分が彼を家族としてではなく、愛してしまったのだから…。


冷たく凍ってしまった彼の心をこの雪のように溶かしてしまえたらいいのに…。





(ねぇ、イギリス)
(俺は、君を愛していたんだよ…)





ーーーあぁ、神様。
頑なな彼の雪(心)の溶かし方を教えてください…。





ーーーー
米→英

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