02/21の日記

19:51
痛みのワケ
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「なんで?」

壁に押し付けた体が恐怖に体を強ばらせ、緑柱石の瞳が畏怖の色を宿しこちらを見据える。

「なんで?」なんて、お前が聞くのかよ…。

「なんで?」そんなの山本自身が聞きたいことだった。

獄寺が自分をよく思ってないことは、山本自身わかってはいることだった。しかし、よく話したり絡んだりはしていた。それが最近になってあからさまに獄寺は山本を避けている。
それに気付いたのは最近の事だったのだが…

「なんで?……それは俺が聞きたいんだけど?」
そう言って山本が掴んでいる手首に力を込めれば、痛みに顔を歪め訳が分からないというような顔をする。

「何言ってんだよ。ふざけんのもいい加減に…」
「避けてんだろ。俺のこと…」
獄寺の体が小さくピクッと反応した。その反応を見逃さなかった山本は獄寺の瞳を覗き込み
「やっぱ、避けてたんだ?」

低く唸るような声音を出す山本に獄寺はゴクリと固唾を飲んだ。


「なんで、避けてたの?」
「…っ、嫌いだからに決まってんだろ」

絞り出されたように弱々しい獄寺の声が山本の耳に届いた。ズキンと胸が痛んだのを感じた…
なんで自分はここまで必死になって理由を探してたのか、わかった気がした。


「もういいだろ。いい加減離……んっ!?」


獄寺に、これ以上何も言わせたくなくて、山本は噛みつくように唇を奪った。
急な口づけに対応できなかったのか、山本は獄寺の口内に舌を潜り込ませた。
「うっ……んぅ…っ」
荒々しく、全てを奪うかのようにその唇を、口内を貪る。

唇を離された頃には酸欠で獄寺はずるずると壁を伝いしゃがみ込んでしまった。それを良いことに、山本は獄寺を床へと押し倒した。

「何の、まねだよ…」

整わぬ息を必死に整えながら声を絞り出す獄寺に口角だけ上げて笑って見せた。


「なんだろうな…」


それを合図に山本は獄寺の首筋に顔を埋めたのだった


†end†

続きます。

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