12/12の日記

02:14
◆A che cosa pensi?◆
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恵みの雨とはよく言ったものだ…。
今自分に降り注ぐ雨は、恵みの雨では決してなく、ただ血に汚れた自分を洗い流してくれるモノでしかない。叩きつけるように降る雨は体の熱を奪い、何もかも洗い流すように降り注ぐ。

ーーいっそ、全て洗い流してくれればいいものを…





◆A che cosa pensi?◆






「っ、お前!ずぶ濡れじゃねーか!!」

家に帰った山本を見た獄寺の第一声は「お帰り」ではなく「バカやろう」と罵声だった。それもそのはずだ。今、山本は先ほどの雨のせいで塗れネズミなのだ。

「何してんだよ、馬鹿…」

呆れたように呟いた獄寺はフワリと頭にタオルをかけた。歩を返し「早く拭いて風呂いけ!」と叫ぶ獄寺を後ろから抱き締める。

「つめてぇ」
「うん。ごめん…」

「でも、少しこのままでいて…」そう耳元で囁けば、小さなため息を吐いた獄寺に頭を撫でられた。

「…馬鹿の癖に考え過ぎなんだよバーカ」
「…うん」

抱きすくめるように腕に力を込めた。
雨の日は傷心に浸ってしまって駄目だ。地を打ちつける雨音に耳鳴りがして余計な事を考えてしまう…。

「…獄寺」

熱の含んだ声音で獄寺の名を呼ぶ。それに答えるように獄寺の唇が自分のソレに重なった。

雨の日は互いに余計な事を考えぬよう…
相手の身体に、熱情に…溺れる。
抱き合う身体は互いを貪り奪い合うかのように激しい。
耳を塞いで、唇を塞いで。
快楽に、溺れる。狂うような、狂気の闇に…

激しい情事の後は、安息を手に入れたように深い眠りにつく。

二つの重なり合う吐息と、二つの心音が2人の生きている証.....


†end†

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