11/16の日記
11:29
キスして。
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「キスしろ。」
そう言ったのは紛れもなく獄寺で、山本はきょとんと目を見開いた。
「え…?」
「だから、キスしろ。」
言いながら四つん這いで山本に近づき山本の前まで来てジッと見つめ、山本が動くのを待っているようだ。
「…獄寺、熱でもある?」
「あぁ?んなもんねぇよ」
熱を計るため額に当てられた手を煩わしそうに払いながら獄寺はまた真っ直ぐ山本を見つめ
「キス。」
早くしろとでも言うように唇を突き出し人差し指を自分の唇の前に持っていく。
その手をゆるりと掴んで引きその唇を優しく塞いだ。
ちゅう。と唇を吸えば、獄寺の手がピクリと動く。上唇と下唇を甘噛みしてまた、吸い上げる。途端、獄寺からはくぐもった甘い吐息が漏れる。
しばらくして唇を話せば頬を赤く染めた獄寺の顔が見え、山本はゴクリと喉を鳴らした。
視線が絡み合えば獄寺は小さく笑うものだから思わず押し倒したい衝動に駆られた。
けれど、安心したように体を預けてきている獄寺があまりに可愛く、珍しいものだったから、ただギュッと抱きしめるだけにした。
「好き、大好きだよ」
「…ん」
そして山本は獄寺の頬に小さなキスを送った。
山本の恋人は、今日は甘えたがりらしい。
†end†
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