@

□見えない明日
1ページ/3ページ

未来に来た日。俺は不安で不安で仕方なかった。だから、大丈夫だと笑う獄寺君が強いと思った。いきなり戦いに巻き込まれて笑いながら大丈夫だと言ってくれた山本を強いと思った

俺なんかより全然強くて、不安なんか微塵もないのだと思っていた…

いきなりの出来事で不安にならない人なんていないのに…。俺はそんなことも知らなかったんだ…
そして二人は重傷を負った…








【見えない明日】










「獄寺君…」
「スイマセン。10代目…」

そっと目を閉じる獄寺君
「山本…」
「わりぃなツナ」

寂しそうに笑う山本

なんで俺は二人の心理に気付いてなかったんだ
気丈に振る舞うのは怖いから。怖いけど、怖いは周りに伝染する。だから無理して気丈に振る舞って…
二人は俺なんかより、ずっと強いけど、強いからこそ脆い…


「ツナ?」
「10代目?」
「…ごめん。二人とも…」

情けなくて、友達を守れなかった自分が悔しくて…
気付いたときには頬が濡れていた
二人が涙で歪んで見える

「じゅ…」
「ごめん…ごめん…」
「ツナ…」

俺は何度も「ごめん」と繰り返した。まるで壊れたスピーカーのようにただそれだけを…
俺は俺だけが不安だと思って、俺と同じくらい…いや…、それ以上に傷付いて、怯えている仲間を見て見ぬ振りしていたんだ


「…っふ」


…出た涙はもう止まらない
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ