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□これでも最悪
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あれからーー僕が祐貴の職場へ出向し終えてから、早数日。
今日は定期メンテナンスの日だ。新しいシステムを入れた会社には、その後使いこなせているか、不具合はないかなどの確認に定期的に伺うことになっている。


相変わらず無駄に馬鹿でかい廊下を歩いていると、目の前から祐貴が歩いてきた。
あれから僕と祐貴は一緒に住んでいるが、会社で見るこいつは、家でのこいつと同一人物にはとても思えないと改めて思う。

そして、『今晩、覚悟しとけーー』あの時そうは言ったものの、なんやかんやで今日まで実行できずにいた。
機は熟した。これを逃していつがある。明日やろうは馬鹿野郎。
…ってなわけで、早速仕掛けてやる。

「お前、今日3時以降トイレ禁止な。」
すれ違いざま、そう祐貴の耳元で呟いてやる。腕時計を確認すると、丁度午後2時58分になったところ。
あまりの無反応ぶりに、聞こえなかったかな?なんて思ったけどそれは杞憂だったようで、振り向くと一目散にトイレに駆け込んでいく祐貴が見えた。
かくして、(祐貴の)戦いの火蓋は切って落とされたのだったーー


*これでも最悪
 
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