Ace of Diamond

□親友という名の永遠の地位
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いつも通りのキツい練習の後、そろそろ寮に帰ろうかなと思っていると後ろから聞き慣れた声が聞こえた。

「おーぃ、春っち!」

振り向くとそこには真夏の太陽のような眩しい笑顔を振りまく沢村栄純がいた。

「栄純君」

「今から寮帰んの?」

「そうだよ。栄純君は?」

彼はいつも誰より最後まで練習をしている。

「今日はクリス先輩に体を休めさせろって言われたから今日は早めに上がろうと思って」

栄純はクリスのことを尊敬している。いや、崇拝していると言っても過言ではない。だから栄純にとってクリスの言うことは絶対なのだ。
それにしても良いことを聞いた。

「ふ〜ん、そうなんだ。じゃぁ一緒に帰らない?」

春市がそう言うと栄純の顔が満面の笑みになる。

「いいよっていうか、春っちに一緒に帰んない?って聞くために引き留めたんだけどね」

こんな栄純君を間近で見られるのはオレだけの特権だな。
なんて栄純の親友である春市は思う。
そんな春市のことを羨ましいと思っている人が少なからずいるということも春市は把握している。
なんていったって青道高校野球部の全員から恐れられている亮介の弟なのだから。
因みにその春市の親友という位置を羨ましがっている連中は更にその先に進みたいと思ってるということも知っている。
その為、今もまだ自主練に残っていた一軍メンバーの殆どが春市のことを羨望と嫉妬の眼差しで見ている。
中には睨んでくる者もいた。約二名ほど。
春市は気が付いているが敢えて無視をする。
因みに栄純は全然気が付いていない。

「じゃ、行こっか」

二人分の道具を片付けて寮への帰途についた。



オレは恋人という位置じゃなくて今のような親友である君との距離がとても心地良いんだ。




だから、この場所は誰にも譲らない。
譲ってなんてやるものか









絶対に・・・・







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