夜空の物語〜sora's stories〜 2
□標的:34突然の訪問者
2ページ/2ページ
‥
‥‥
‥‥‥
『‥倭、』
夜空は、目標物である一機のジェット機を見つけてから
走ることをやめ、大きな鷲を操り、飛んでいた。
“倭-ヤマト-”と呼ばれた鷲は、雛の頃からの夜空の友達で、夜空の移動手段の一つ。
『‥あの木の傍に降ろして。』
きゅるっ と鳴き、返事をした倭は
夜空の指差す木に静かに止まり、夜空を降ろした。
夜空が降り立った木からは、侵入してきたと見られるジェット機が見えた。
『蒼桜邸に、たった二人で乗り込むなんて‥
ただのバカか、余程の自信があると見えるね。』
夜空は、倭を木の上に待機させ、
自分は気配を消して、ジェット機の傍に忍び寄る。
「…………ょ」
気配は二つ分、警戒していないのか、気配は消えていない。
『…ホーミング、フープ』
いつもはトレーニングに使うホーミングフープは、本来敵を追跡するための武器。
上空に飛ばし、待機させておく。
手は何も持たず、素手のまま。
一気に近寄った。