夜空の物語〜sora's stories〜 2
□標的:39笑顔が見たい
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参 笑顔が見たい
◆ 翌日、9代目からラリアスの死が伝えられた。
夜空は一日中泣き続け、何も知らない恭弥は宥めることしかできない。
聖司も黙って見てることしかできない。
『…ぅ‥‥‥ひっく‥』
聖「…恭弥、学校行け。」
いつになく真剣な表情をする聖司に、恭弥は歯向かうことができなかった。
不良の頂点に君臨する、最恐の風紀委員長が、だ。
聖「夜空のことは心配すんな。」
雲「…」
気に入らない、とでもいいたそうな表情をしたまま
恭弥は黙って夜空の部屋を出た。
『ご、めん…せーくん、‥‥』
聖「大丈夫だって
泣きたいときに泣けばいい。」
ここのところ、日本に任務として来てから数ヶ月。
夜空は涙一つ出したことがなかった。
元々、人に弱みを見せることが苦手な夜空。
そして、誰よりも守られることが嫌いな夜空。
自分の弱みを、隠していた。
弱いものはいなくなる、この世界。
強いものは、弱いものを守る、この世界。
嫌だった。