夜空の物語〜sora's stories〜 2
□標的:36黒猫の決意
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九 黒猫の決意
◆ 翌日、深夜遅くまで会議をしていた海斗を心配し、夜空は海斗の書斎へ入った。
ディーノやロマーリオは帰り、梨乃も自室へ戻ったようで、そこには海斗しか居なかった。
『海斗兄、風邪ひくよ…?』
机に突っ伏す様に寝ている海斗。
起こさないように、夜空はタオルケットをかけた。
その拍子に、海斗の机から無数の紙が落ちる。
拾おうとした夜空は、ふと手を止めた。
『…アイラック、ファミリー』
海斗が調べていた、アイラックファミリーの歴史について書かれた書類。
その他、暴閑真やボンゴレについての歴史の資料。
そして、一番目をひいたのは
『! 神前…』
写真付きの、憎きアイラックファミリーボス・神前の姿だった。
この人が父に任務を依頼しなければ、父は死なずに済んだかもしれない。
この人のファミリーなんかに所属しなければ、父はボンゴレに入っていたかもしれない。
憎き、神前。
怒りが湧き上がってくる瞬間、有幻覚で姿を現した聖司に止められる。
聖「夜空、海斗は、お前のために調べてたんだぞ。」
『え?』
━海斗よりもシルラの力を強く継ぐお前のために。
聖「シルラのこと、知ってるよな?」
『うん、…悪魔と呼ばれた人。 悪魔に魂を売ったって説もあるよね。』