番外編等等…

□仔犬のような
1ページ/1ページ


保健委員っていうのは、楽だと思う。

昼休みとか、当番を理由に涼めるし。

うん。最高だね。

しかも今日は、保健の先生出張だし。

まぁ、誰か来たらやばいだけで

「ふー… みんな元気だねー〜」

先生用の椅子に座って、窓からグラウンドを眺める。


「やっぱ…人じゃないよな、あれ」

最近、サッカーが熱い。

うちのサッカー部だって、結構強い。

んーと、雷門だったかな

日本一になったのは。

そんなにサッカーに興味ないあたしでも、

嫌でも情報入ってくるんだよね。

なんか力とか気とかこめるだけで

ボールから炎でたりするらしいし。

「なんか…かっこいいよなぁ」


ぽーっと外を見ていて

時計見たら残り十分で

ありゃま、もう昼休み終わるじゃないかとか一人で思ってたら

ドアが開いた。

「失礼しまーす…?」

「ぅえ?!!」

ちょっと、まさか人来るとは…

しょうがないか、保健室だもんな。

「あ、あれ? 先生は…」

「いないよ。 どうしたー?」

あ、この子サッカー部じゃん。

一年でMFからいきなりGKになった子じゃん。

FWとか、DFならまだしも

まさかのGKになったあの子じゃん。

名前、何だったっけ。

「擦り剥いたにしては…ひどいね」

「あははは…;」

座って、と患者用の椅子を指差して

あたしは消毒液とガーゼを棚から出す


「絆創膏じゃあ足りないね…

限度考えよう? 体壊すよ?」

「でも…、ぜったいにゴッドハンドをマスターしたいんです!」

「ゴッド… 雷門のGKの技だっけ?」

はいっ、と威勢よく答えられる。

いやーなんかね、尻尾が見えるよ。

仔犬の、振りすぎて千切れそうな感じ。

「んー… 頑張るのはいいことだけどさ

医療する側の人間のことも考えなよ?」

「…」

「折角直しても、未が滅びてもいいようなことされたら

こっちが嫌になる」

「じゃあ」


先輩のために完成させますから

それまでは、嫌にならないでください


「…は? あ、終わったよ」

「ありがとうございました!」


約束ですよ


って

後輩に好かれたのか、あたし。












ーーーーーーーーーーーーーーーー
またよく分からんのでけた。
ごめんよ立向居。
ちょっと先輩だしたかったの。


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ