**あべこの創作小説**
□高校生。
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キーンコーンカーンコーン…
チャイムがなった。
今の時間は16時20分。下校の時間だ。
今日は12月某日。
正美は退屈していた。
彼女は、成績は常に一番二番を争う、俗にいう優等生だ。また人と群れることが嫌いで、愛想もない。美人ではあるが、クラスの女子からは嫌われていた。
「正美一緒に帰ろう」
「別にいいけど」
彼女は正美の唯一の友達宏子。彼女も美人であり、また正美と違い、愛想がある。またかなりの情報通。
しかし我が儘で彼女もクラスメイトの女子から嫌われていた。
正美は宏子も好きではなかったが、何故かなついてくるため、悪い気はしなかった。宏子も正美が気に入っていたので、2人でクラスの中では浮いていた。
「そういえば、今日も来てなかったね。盛岡。」
「え…あぁ、そうだね」
「たまに来なくなるよねぇ、あいつ」
正美は盛岡が苦手だった。彼は何を考えているのか読ませず、たまに学校に来なくなるくせに、成績は必ずトップで正美と争っていた。また、二人は幼なじみでもあった。
『あいつ今日も来なかったな』
宏子と別れて正美は、盛岡のことを考えていた。