小説2

□朔月転生 第4話
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思い出したくない。
喉の奥に苦いものが広がって冷静ではいられなくなる。

それでも無条件にあの微笑みが反芻されてしまう…
何度も何度も。



―――1日、2日…1週間…
そうして時間だけが経っていった。

俺は以前のように不特定多数の女と夜を過ごすことができなくなった。
それどころか外出することすらなくなった。


何も集中できない。
余計にイライラが増していく。
かといって外に出て発散する気も起きない…


必然的に八つ当たりの対象が家のものになった。

生真面目に整頓された棚や机が癇に障って、俺は乱暴に払いのけた。


…バサバサバサッ
落ちてきた冊子の中身が無造作に開かれる。


「―――――!!」


金色の…髪の…



それは、大量の写真が入ったアルバムだった。





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