小説2

□朔月転生 第4話
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君が眠りについてから、何度夜が明けただろう。


あの図書室での凄惨な行為を…
俺はあれから1日たりとも忘れたことがない。


あのとき君は顔を覆って何を見ていた?
何を想っていたんだ…?



今はもう知ることができない。




・・・カガリ・・

結局一度もその名を呼ぶことができなかった――――






【朔月転生 -サクヅキテンセイ- 第4話】







家に帰って冷静さを取り戻すと、少しずつ…脳裏に甦ってきた。

俺が彼女にした行為
その一つ一つが克明に思い出される。



―――キレてしまってからの感覚は、頭でなく躰が覚えていた。

彼女の足首を掴んだこの手。

執拗に追い込み、強く打ち込み続けた腰。

射精したときの虚脱感…



確かにその記憶があるのに。
自分がそんなことをしたという事実が信じられなかった。


――――彼女の微笑みが目に焼きついて離れない・・



こんな後味の悪い行為は初めてだった。





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