小説2

□朔月転生 第3話
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翌日、俺は大学へと足を運んだ。

学生が集まりそうな所へ行くと、「大丈夫だったか」「生きてたな」とか声をかけられた。
当然記憶にない奴らばかりだったが適当にかわしておいた。


「あらアスラン君、退院おめでと。あんまりカガリに心配かけちゃ駄目じゃない」

カガリの名を出す女に会って、俺は彼女の居場所を聞き出すことができた。


「カガリならいつもの旧1号館図書室にいると思うわよ」






古びた建物。
誰も寄り付かないような図書室で、あの女はイスに座ってうつむいていた。

…ガタン。
わざと音をたててみる。

「……!」

俺を見た瞬間、彼女は愕然とした。
…こっちは楽しくて仕方ないというのに。


「そんなに驚くなよ。遊びに来たんだから…」

「…な、んで…」

一歩一歩近づいていくと彼女は立ち上がって身構えた。
こういう状況もたまにはいい。
寄ってくる女を組み敷くより楽しそうだ。


さぁて、どうやって遊ぼうか……



「あれ以来…見舞いに来ないからさ―――」

「…っきゃ!!」

「会いにきたんだよ」

手首を掴んで机の上に押し倒すのは簡単だった。
彼女の瞳が大きく開いて揺れている。

「な…」



「ねぇ…俺とのセックスって良かった?」

「っ…!」

ひるんだ一瞬、俺はその唇の自由を支配した。
唾液が混ざり合うように激しく…


金の瞳が恐怖に染まっていく様を間近で見つめながら。




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