小説2

□朔月転生 第3話
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あの頃、俺が欲しかったものは一体何だったんだろう



意味もなく女遊びして

親友をないがしろにして

彼女をズタズタに傷つけて…



得たものなんて何もない





…記憶を失うことと生まれ変わることは同じじゃなかった

俺はアスラン・ザラなんだから







【朔月転生 -サクヅキテンセイ- 第3話】








「カガリは、君の恋人なんだよ…」


―――三日月が照らす街の片隅、キラは大学に入ってからのことを語り始めた。




 大学に入って、君がカガリに一目ぼれしたんだよ。

 よく3人で遊んで、カガリも君を好きになっていって…

 1年の夏から付き合い始めたんだ。

 仲良かったんだよ、ほんと…。

 君は心からカガリを守ってるって感じで、見てるだけで想い合ってるのが分かって―――


 今回のことで一番傷ついてるのはカガリなんだよ。

 もうこれ以上カガリを苦しめるようなことはしないで…

 お願いだよ、アスラン――――






キラの話を聞いて、俺は嘲笑った。


面白い。
絵に描いたような優等生男だった俺に、まさか彼女がいたなんて。

しかも相手は、自分の言葉も言えないような女…


こんな愉快なことがあるか…?





退屈しのぎに丁度いい。




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