小説2

□朔月転生 第2話
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私たちは一体どこで間違えてしまったんだろう。


なぜこんなことになったのか
何が悪かったのか

…そんなことばかり頭を巡って


現実を受け止めきれない。





『愛してる、カガリ…』


細められた翡翠の瞳に、優しい声…



あのアスランを戻して――――






【朔月転生 -サクヅキテンセイ- 第2話】







初めてアスランに会ったとき、人形みたいに綺麗な顔立ちをしてる人だなと思っただけだった。
私はキラと同じ大学に入れたのが嬉しくて浮かれていて、正直どんな会話をしたのかも覚えてない。

しばらくして大学生活に慣れてくると、自然と3人で遊ぶことが多くなった。



「わわっ、ジュースこぼしちゃった」

「大丈夫!?」

「カガリ、服が…」


「い、いいよ。アスランのハンカチの方が汚れる…」

「えっハンカチ!? アスランなんでそんなの持ってるの」

「なんでって、普通だろ?」

「フツー僕らの歳の男が持ってないでしょ!」

「そうなのか? でも俺は小さい頃からの習慣だし…」


「ぷっ…キラは生まれて一度も持ったことないんじゃないか?」

「あーカガリ笑ったなー!! 言っとくけどアスランが少数派なんだからね!」




バカが付くほど大真面目で、すごく優しくて、
誰よりも純粋な心を持っていて…
少しずつアスランのことを知っていくうちに、もっと一緒にいたいなと思うようになった。





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