小説2

□境界線V−縁り糸−
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『今日、必ずカガリを抱くから…』


真っ赤になって唇を押さえるカガリの手を引きながら、騒然とした教室を出た。






・・初めて手を繋いだ、帰り道。






【境界線V −縁り糸−】







「ア…アス……っ」


校門を出たあたりで掠れるような声が聞こえ、アスランは足を止めた。
そういえば、少し自分のペースで歩きすぎたかもしれない。

いつもはカガリの横で歩調を合わせながらのんびり帰るのに、今日は…待ちきれなくて。


「言っておくけど、今日はクレープ食べに寄ったりしないよ」

「……ぁ…」


アスランは意味深な忠告をしながら、握っていた手を一度緩めて優しく指を絡ませた。
もちろんこうやって繋ぐのも初めてのこと。
早く・・カガリの全てを――――


「さ、さっきの…っ//」

カガリはまだ自分の唇を手で押さえていた。

さっきアスランが教室でしたこと、言ったことがまだちゃんと飲み込めてないらしい。
それでも唇と指が震えているから…おそらく重なった感触は残っているのだろう。

そんなカガリの反応に、アスランは獰猛な雄の欲望が次々と引き出されていくように感じた。


「キスだよ。……わからなかった?」

「っっ……!///」


繋いだ手の甲にキスを贈りながら、翡翠の瞳を細める。


「分からなかったんなら、ここでもう一回しようか…」


再び耳元に顔を近づけるとカガリは懸命に首を横に振り、アスランは笑みを深めた。


―――カガリがどうしようもなく可愛い。
本当は、息もできないようなキスをめちゃくちゃにしたい・・

でも今それをしたら、きっとカガリの全てを知るまで止めてあげられない。
さすがに初体験が外…というのは可哀想だと思う。



「じゃあ、続きは俺の部屋で……教えてあげる」



キスの甘さも、性の快感も…全部。

昨日カガリが花開いた、あの部屋で――――






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