小説2

□境界線U
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なんで…

こんなにも気持ちいいんだ。
柔らかくて、温かい…カガリ。

心臓から何かが燃え広がっていく感覚。
たまらない…


他の男には絶対に触れさせない。
この感触を知っていいのは俺だけ――――



「アス…ラン? なんだお前、また甘えんぼか?」

突然抱き締められたカガリは、少し戸惑いはしたものの
以前のようにクスっと笑ってアスランの頭に手を置いた。


・・この反応も予想していたこと。
少し腹立たしくはあるけれど。


「うん…甘えたいんだ。いい…?」

「もぉ、しょうがないなぁ…」

猫とじゃれるようにして笑ったカガリの肩を、ぎゅっと強く抱き締める。


「っ……」

胸を圧迫されたカガリはとたんに息ができなくなった。


・・まだまだ
これからだよ、カガリ・・


「アスラ…?」


アスランは極上の感触を心で味わうかのように、瞳を閉じていた。
強く抱き締めたまま、小さな背中に手を這わせていく。

愛おしげに金色の髪を撫で…そこに柔らかなキスを贈った。

「…!」

明らかにカガリの肩が反応したのが分かった。
両腕いっぱいに抱き締めているため、アスランにはその振動が直接伝わってくるのだ。




―――そうだよ・・俺を恐れて。

もう親友なんかじゃいられない。



“男の俺”を恐れて


・・・そして感じて、カガリ――――





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