小説1
□Endless Kiss
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―――招待状の発送から約2ヶ月後、10月28日。
代表首長の結婚を翌日に控え、オーブ国民はお祭りさわぎだった。
しかしそれとは対照的に、結婚式は親しい者だけでひっそりと行われる予定である。
場所はアスランとカガリが初めて出会った無人島で、友人・知人だけを呼んで。
もともと質素で外界から隔離された場所を探していて、あの無人島がベストということになったのだ。
「やっと終わった……」
本日の公務を特急で終えて、カガリは机に顔を伏せた。
公務の疲ればかりではない。
ここ数日、結婚式の準備やスケジュール調整でろくに休むことができていないのだ。
アスランとゆっくり会うこともできなくなっていた。
「お疲れ、カガリ。もう仕事のことは考えなくていいから、明日にそなえてゆっくり休むんだ」
キサカが書類を受け取りながら言った。
「うん、ありがと。でも今から結婚式の最終チェックに行かなきゃ……」
「大丈夫か?」
「忙しいのも明日までだ。大丈夫だよ!」
カガリは笑顔で立ち上がると、無人島へ行くためにヘリポートへ向かった。
最終チェックはもちろん新郎であるアスランも一緒だ。
これからアスランに会えると思うと、カガリは仕事の疲れなど吹っ飛んでしまった。