小説1

□となりに眠る。
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床に、無造作に散らばる2対の制服。
外したネクタイをどこかに置く余裕さえ無かったらしく、シャツや下着と一緒に投げ捨てられていた。

その持ち主たちが沈んでいるベッドは、すでに夕陽でオレンジ色に染まっている。



荒い息と震える身体が少し落ち着いてきたところで
アスランは、上から押し付けるように抱き締めていた身体を少しだけ離した。
そうしてまだ絶頂の余韻にいる少女の顔を、心配そうに覗き込む。


「カガリ…」





―――今日もまた際限なく求めてしまった。


でもどうしても止められない。
15年間、ずっと隣にいて。
ずっとカガリだけが欲しかったのだから・・。



「ん…」

少し意識が戻ってきたのか、だるそうに開けられた瞼からは金の瞳が現れた。
それを確認すると、アスランは目の前のピンク色のくちびるに、そっと口付けを落とす。
カガリのさらさらした髪に指を通しながら、頬や瞼にもキスをした。


もう少し繋がっていたかったが、あまりカガリに無理させたくない思いもあって
アスランはゆっくり自身を引き抜いた。
何より、いつまでもカガリの中に入っていたらまた本能が疼き出してしまうのだ。


手際よく後処理を済ませ、再び愛しい人の隣に戻るアスラン。
この場所は俺だけのもの・・。
一生誰にも渡す気はないという気持ちを込めながら、カガリを抱き締めた。


カガリはもうしっかりと意識が戻っていて、擦り合う素肌に恥ずかしそうに身を捩らせていた。





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