小説1

□海の向こう 後編
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――――愛しいのに




どうすることもできない…想いがある。






あれから2年たった今でも。








【海の向こう 後編】







部屋に入ってカバンを放り投げると、アスランは乱暴にベッドに腰を下ろした。
拳に力が入る。


「っ……くそ…」


何より、情けない自分に腹が立った。



『…あんまり傷作るようなことするな。女なんだから…』

『私だって…っ好きで作ってるわけじゃ…ないっ……!』



先ほどカガリに言った言葉ばかりが、アスランの中で何度も繰り返されていた。

包帯が巻かれたカガリの手首に…とても平常心ではいられなかった。




カガリの声は震えていた…。

2年前、カガリの身体に消えない傷をつけたのは、俺なのに。
それを引っ張り出すような真似をして、心まで傷つけたんだ。




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