小説1

□quartet
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帰り道は、同じタイミングで部活が終わり、同じ駅に向かうため
2人の交際が始まってからも4人一緒なのは変わらなかった。


・・・ただし、2人ペアの組み合わせは固定になった。

歩道の幅からして4人で並んで歩くのは不可能なため
2・2に分かれて並んで帰るのだが、今まではランダムだったのだ。

しかし今はもう、キララクス・アスランカガリのペアにしかならない。


「ラクス、期末の範囲さ、英語ってどこまでだっけ?」

「わたくし達は57ページまでですが・・キラは理系クラスだから少し違うのではありませんか?」

「ああ!そっかー」

「授業のコマ数が違いますものね」

「なんか一緒のクラスだった頃の感覚が抜けないなあ」

「ふふっ」


少し前を歩くカップルの会話が風に乗って聞こえてくる。
カガリは少し躊躇いつつも隣の人物に小さく声をかけた。
聞かずにはいられなかったのだ。


「アスランはどう思ったんだ・・・? 二人が付き合うって聞いたとき」

「どうって・・。普通に、良かったなって思ったけど」

「驚きとか戸惑いとかなかったのか?」

「キラの気持ちは前から知ってたからな。ラクスが同じ気持ちだってことも、見てたらなんとなく・・」

「ええっ!?」

思いがけない言葉に、カガリは声をひそめることも忘れた。





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