小説1

□quartet
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(な、なんか……)

居た堪れない。
今のカガリの心境を言葉に表現するとしたら、そんな感じだった。


部活中。
弓道場で淡々とアスランの矢が飛ぶ中、カガリだけがそわそわして落ち着いていなかった。

すぐそこの鏡の前で、ラクスのフォームをキラがチェックしてアドバイスしている。
楽しそうに笑い合いながら。
別に…今までだって、普通にこんな光景はあった。
これは日常のものであるはずなのに。

キラとラクスが付き合っていると聞いただけで、カガリは視線のやり場に困っていた。



(アスランは…?)

ちらりと、もう一人の様子を窺ってみると、彼はいつも通りで。
特にキラとラクスの方を気にしたりもせず矢を番えている。


「…どうした?カガリ」

「あ!いや…!なんでもない…っ」


二人はどうやって付き合うことになったのだろう。
そもそも、お互い以前から恋愛感情があったのか、どちらかが告白してそこから意識したのか、なんとなく付き合うことになったのか。
いろいろなパターンが頭を駆けめぐり、恋愛経験値0のカガリは挙動不審になるばかりだった。


知りたいことはたくさんあるが、聞けない。
というか、二人とどう接していいかわからない。



私・・これからどうしたらいいんだ・・・?





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