小説1

□巡査部長イザーク・ジュール番外編V
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俺の相棒アスラン・ザラは今、嫁に欲情している。



ザフト警察署所属の俺たちは、今回、毎年恒例1泊2日の温泉旅行に来ているところだ。
慰安旅行というやつである。

自然の風景と温泉を心ゆくまで堪能した後は、宴会場で夜中まで酒盛りというのも毎年恒例となっていた。


「それでは、今日は思う存分飲んじゃいましょう!みんなお疲れ様!かんぱーい!」

「乾杯!」

「乾杯ー!」


皆が笑顔でグラスを上げ、宴会は始まった。
そしてアスランは今、風呂上がり&浴衣姿のカガリを至極嬉しそうに見つめているのだ……。


おそらく“今すぐ脱がしたい”とか“襲いたい”などという不埒なことで頭がいっぱいなのだろう。
いや、おそらくではない、絶対だ。
絶対あいつは18禁なことで頭がいっぱいに違いない!!



―――俺様には、この先の展開も目に見えているぞ――――


いつものようにアスランは欲望を抑えられず、強引にカガリに迫るのだ。
そして俺はまた運悪くその場に遭遇してしまうのだ。

そんなことになってたまるものかァァァーー!!!




俺だってこんなに何度も被害にあっていればさすがに学習する。

すでに獲物をロックオンしているヤツの下半身を制止することは不可能だが、俺が濡れ場を回避することは可能なのだっ!!


常にアスランの動向を確認しておき、アスランがカガリと一緒に消えるようなことがあれば俺はうかつに動かない。
そして人気のない場所には絶対行かない。


そうだな…今回の旅行でアスランがコトに及ぼうとするなら、貸切露天風呂あたりが妥当であろう。
客室の割り当ては男女別だし、4人部屋だから無理なのである。


よし決めた。
貸切風呂のあたりには近づかないぞ俺は。


絶対平和に温泉旅行を終えてみせる・・・!!





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