風薫る花

風薫る花 <第4話>
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殺せなかった。
どうしても、殺したくなかった。

生きてほしいんだ。




あの金色の輝きを放つ少女だけは・・・。






【風薫る花 第4話】






「で、君は一体いつまで僕に付いてくるの…」

「君じゃない、カガリだ!」

町外れの道中、少年と少女が連れ立って歩いていた。
しかし少女は帽子を深くかぶって男の子のような風貌である。


「だって、お前アスランの居場所を知ってるんだろ」

「だからそんなの知らないって言ったじゃない…」

「でも行きそうな場所なら知ってるんじゃないのか」

「うっ…」


ズバズバと切り込んでくるカガリの言葉に、キラは押されるばかりだった。

なぜこんなことに。
アスランを迎えに行って、カーペンタリアに戻るだけのはずが…
肝心のアスランの姿はなく、代わりに見ず知らずの少女が付いてきてしまったのだ。
オーブ国民であろうナチュラルの少女。
ただでさえ人との接触は避けなければいけないのに…。

アスランが向かっている場所はおそらく、今まで自分がいたカーペンタリア基地だろう。
しかし、この少女を連れて行くわけには―――

キラは、なんとかしてカガリを撒く方法を考えていた。



「例え知らなかったとしても、お前といればアスランに会える可能性が高いからな」

少なくともあの隠れ家にいるよりは、とカガリは思った。
あんな消え方をしたアスランが、自らあそこに戻ってくるとはどうしても思えなかった。




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