Red Line
□Red Line 第1話
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CE69.3.14 中学2年のおわり、母親が転落事故により他界。
1ヵ月ほど児童養護施設に入ったのち、アスハ家の養女となる。それと同時に都内へ戻る。
養父ウズミ・ナラ・アスハは「オーブ製薬株式会社」代表取締役社長。
アスハ氏には妻も子もおらず、ここでも二人暮らしとなる。父子仲は良好である模様。
その後、高校・大学と順調に進学し、最終学歴は国立草那岐大学教育学部卒。
現在はオノゴロ小学校教諭3年目。4年2組の担任を務める。生徒・保護者・同僚から絶大な信頼を集めている。
昨年よりアスハ家を出て都内のマンションに一人暮らしを始めた。恋人はいない。
※ただし、調査を進めるうちに、前述の中から一つ不可解な点を見つけた。
それは――――……
この件に関し、さらなる調査を必要とするなら申されたし。
「……知ってるよ…」
報告書のラスト数行に対し、アスランは呟いた。
…それだけなら元々知っている。
アスランが知りたかったのは、それ以外―――彼女がどのような半生を送ってきたかであったのだ。
こんな文字だけで人の生き様すべてを知ることなどできはしないが
アスランの一応の目的は達成されたのだった。