silver soul

□ほしいんです。
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目を閉じる。




と、人の気配が解る。



これは、当たり前だが土方さんの気配。





【ほしいんです。】






さっきまで目の前にあった土方さんの整った顔。

その土方さんを見ていた俺の目と土方さんの間をさえぎったのは
他でもない、俺の瞼。


そして俺が今居る場所は土方さんの腕の中。
というか、俺が抱きついたんだけれども。


無性に人恋しくなる夜もある。
別に悪夢を見たとかそんな理由じゃなくて、ただ単に、誰かに触れてほしいと
思うことがあるのも人間だろう。

俺は、土方さんじゃないと嫌。


こんな身体(密偵の任務とかあると、おのずと傷も出来るってみんだ)
土方さんくらいしか愛してくれないとは思うけど。

むしろ土方さんが俺を愛してくれる方が不思議だけど。


それでも土方さん以外は嫌なんです。




土方さんは、まさに今のような状況の時
決まって唇に安堵の印をくれる。
 
それが何よりも嬉しくて、また繰り返すけれど。


土方さんも時々廊下とかでイキナリ後ろから抱き着いてきたりする。
おあいこって事で今日のところは勘弁してほしい。





だって早く、キスがほしい。




ほら、やっぱり思ったとおり。
土方さんはやっぱりくれた。暖かくて少しカサついたその感覚は
楽しむよりも前に離れてしまう。

それが寂しくて、目を開けて今度は自分から。

まっすぐ見据えた土方さんの顔はやっぱり驚くほどに整っている。
本当、俺にはもったいないけれど。

でも他に人に譲る気なんてさらさら無いんだ。
だって俺だってこの人がいなくなると寂しいから。



頭を固定される。動けない。というか、動く気も無いけど。
そのまま唇を舐められる。心地いい。

意図したわけでもなく薄く開きっぱなしになっていた唇の隙間から
さっきまで唇を舐めていた物体が中まで侵食を始める。
やはり心地いい。

その舌のはためきに合わせて舌を絡める。
夢中になって舌を甘噛み、吸う。



この舌が愛しい。


ううん、違うんだ。


土方さんが愛しいんだ。


解りきった愚問。でもそれも悪くないと思える。
だって目の前には土方さん。

これ以上の幸せなんて、今のところ思いつかない。



end

あれ、何が書きたいのかすっかりわからなくなった・・・。
土山は勢いのみの散文書くのが好きです。

I.H

(今のところなんて嘘。本当は、ずっと。)

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