Zillo'll
□夜中のデート。
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「…デートって雰囲気じゃねぇな」
「自分で誘っておいて、そういう事を言いますか」
ロストールのスラムの方の酒場。
ここでいつも賭け事をやっていたので、つい足がここへ来てしまった。
彼女は苦笑しながらも嫌がっている素振りはない。
「おぅ!サレスじゃないか!!」
酒場の親父が入ってきたばかりの彼女に気づいて話しかけた。
あまりにも大きな声だったので、酒場にいたほぼ全員が彼女を見た。
「こんばんは」
彼女もこの視線の中、臆することなく親父に片手をあげて微笑み返した。
彼女のそういう所は尊敬に値する。
「、とまたアンタかぃ…」
今度は俺を見た親父が苦笑まじりに言った。
「今日は勝つ!」
腕を彼女に伸ばして、首元に回して引き寄せる。
「なんつっても、幸運の女神がいるからな」