短編&勃発2次小説

□抗争ofトマゾファミリー
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町は崩壊した
一般の人々も、ファミリーの仲間も敵も
みんな無差別に殺し合い
いや、無差別というのはおかしいか
長く続いたこの抗争は
ただ自分を守るだけのものになってしまったのだ
真っ赤な海
そのなかにオレとこいつ。2人、立ち尽くす


十年前のように仲間なんて
友達なんて
もう、話すことはできない


「ロンシャン…」

「久しぶり沢田ちゃん」

それでも彼は初めてあった時と変わらない口調と笑顔で
それでも状況は著しく変わっていて

「どうしてこんなことになったんだ
ろうね」

お互いに銃を手放す事はしない
むしろ、お互いに隙を疑って

「だよねー。ほんと…恨む??恨んじゃう??この運命ってやつをさ??」

変わらない。それだけのことなのに

「うん。ほんと…恨むよ」


『殺したくない』
『死にたくない』



ただそれだけ



「そっか。沢田ちゃんらしいね!!」

屈託のなかった笑顔には少し大人びた。
まるで――世界の真っ黒な部分を知ったように

「戻らなきゃいけないからさ」

「うん。オレもだよ」


一発の銃声
それが、‘殺し合い’の合図
結局、血は争えないみたいだ



〜後書き〜
もう、何も言うまい
 

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