リクエスト話
□妊娠騒動
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「うおええええ!!」
それは朝早くのことだった。
まるこ先輩が口元を押さえて、
どたばたと慌しく廊下を走り回っていた。
「せ…先輩、気分が悪いんですか?」
「…!!!!」
口元を押さえ込んだまま
コクコクと頷く先輩。
どうやら話が出来ない状況らしい…?
と思ったら。
もう一度、
「ん゛ー!!」と苦しそうに大きく唸って
急いで厠の方へと走って行ってしまった。
「な、なんだったんだ…」
ずり落ちかけた眼鏡を押し上げていると
後ろから、真っ青な顔した春日先輩が現れた。
「譲くん…大変だよ」
「ど、どうしたんですか…?」
「まるこが妊娠しちゃった…!!」
え…
「ええええええええ!!???!?」
妊娠騒動
「これは一体どういうことだ?」
あぐらを掻きながら、
ドンッと勢いよく畳を叩く九朗さん。
その隣りで険しい顔をした弁慶さんが
「…大問題…ですね」
と続ける。
大問題なんてモンじゃない。
せ…せせせせ先輩が妊娠!?
だ、だってまだ17歳じゃないか!
なななななにを言って…
そそそそんな馬鹿な筈がない。
俺は断じて認めない!
認めないんだからな…
…まるこ先輩が、妊娠しただなんて。