第一章

□Vol.5
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俺んとこ来ないか?

アッフォー!チャッチャッチャッチャチャラリララ〜♪

某ツッパリ系の歌手風に
将臣くんが言いました。



箱入りむすめのススメ
 〜ドキッ☆キノコまみれの強制お泊り 〜


あーあ。
付いて来てしまったよ…

てことで、私はいま
将臣くんが泊まる予定の宿にいます。



「なんでこんなことに‥」

「んあ?何か言ったか?」

「や、なにも」


しかもね
宿に着いたのはいいけどさ、
「今日は金曜日だから混んでまして‥お部屋は追加できないんですよ」なんて宿の人に申し訳なさそうに言われた。


そしたら隣りの将臣くんが
「ん?俺は同室でも別にかまわないぜ!」


なんて言 い 出 し や が っ た … !

んまっまじかよ!
なんか計画的くさいぜ…!

「同室でよろしいんで?ではご案内致しますね!」

宿の人に案内されて部屋に着いた


はー。
もういいよ。
この人には、いっくら抵抗しても何の効果もないしね。ていうか私の話全く聞いてないよね‥!

苦手なタイプだなぁ。



「名無し子は何食いたい?」

「は?」


部屋に入るなりいきなり飯ですか!
な、なんなのこの人。
普通は、
疲れたから少し休むか!とか、
強引に連れてきて悪かったな!とかさぁ。
なんか一呼吸入れるモンじゃないんですかね…!?


私は思った。
将臣くんは常識がない人だと。


そんな私を放置して(放置プレイですよ!)将臣くんは食い入るように品書きをみてる。


「あー久しぶりにキノコ類でも食うかなー」

キノコ…!?

「い、いやぁあああ!」

私はバタンッと勢いよくひっくり返った。


キキキキキキノコだと?
あたしゃキノコが嫌いなんですよ。見ただけで失神しちまいますYO!



「どうしたんだ?」

「や…キノコより山菜食べたほうがいいと思うよ、ほら、育ち盛りのお肌にはビタミンが大切「よしっ、決めたぜ!今日の晩ご飯はキノコな!!」



えー!
だだだからイヤなんだよこの人おぉぉぉ!!
全っ然私の話なんか聞いちゃいないしさぁ!!!
まじ勘弁してくださいよ!
小学校で「他人にイヤな思いをさせちゃいけませんよ」って習わなかったんかぃぃぃぃい!


「あ、あーた!あーたねぇ!」
(訳:あ、あなた!あなたねぇ!)


混乱してデビ夫人口調になりながらも、キノコを注文しようとする将臣くんを必死で止める。


私は顔でも引っ掻いてやろうと、将臣くんめがけて突進したんですがね……

長い腕でそれを止められちまいましたよぅ‥!
も、もう為す術なし…手遅れです…オペは終了しまし……た


ま、いまの状態を簡単に説明すると

私の顔は将臣くんのムダにでかい手のひらで掴まれていて、

んで当の本人、将臣くんはというと…
楽しそうに笑いながら宿の人に「キノコ定食二つ大盛りで!」なんて注文してやがる!


だ、だめだ…
も、もう私の人生おわった……
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