文
□深夜3時の狂騒
2ページ/4ページ
その質問に何故だか前の席にいる二人が気まずい顔をした
「はれ?どったの」
「…あー‥いや……」
頬を掻き返答が鈍る元親に、元就が代わりにいった
「奴ならば保護者が、連れていったぞ」
「‥まじ?」
「ああ」
佐助があーぁと呟く。
幸村はその場にいなかったのか、きょとんとした目をして佐助と元就を交互に見る。
かすがは走りだした車の窓を見つめながら呟いた
「面倒臭い奴等だ」
PM23:52
元親が唖然とし、元就がもう一度溜息を吐く隣で幸村が笑顔を浮かべる
貸家である真田家の所有する、今は五人が住む一軒家のリビングに帰った筈の政宗がいた
「おま‥何で?!」
「おー、ムネ?ここにいて平気なの?」
ジャンケンに負け、車から大量の荷物を担いだ佐助が後から入る。かすがは仕事のため、途中で降りていた
「‥なにがだよ」
「いや、お前さ。片倉さんと帰ったんじゃ‥」
「Aa?!」
「…いや、何でもないです」
「あっはは、政宗お前さー酒飲んでる?!盛り上がるの早いなー」
「…違うに決まっておろう、馬鹿親」
「伊達殿ー!!」
幸村が両手を上げて政宗に飛び付く。受け切れず、そのまま二人もろともフローリングに倒れた
「Oh.幸村!」
「伊達殿、お久しぶりでござるな!」
「あぁ、今日はとことん飲むか!」
「御意でござるー!」
「あっ、ちょっ幸村ー?!」
慌てて佐助が幸村を止めようとするが、元親が参入し拍車がかかり益々騒ぎは大きくなり。
「‥」
「あきらめろ、猿飛」
氷の美貌が珍しく同情するように言った
PM27:13
「‥幸ったら、お酒弱いんだから飲まなければいいのに」
深夜3時。
佐助は上がった風呂から、濡れたままの髪をバスタオルで簡単に拭く。
15畳位のリビングは元親、政宗、幸村がそれぞれ伸びた姿で寝ている。元就の姿はなく既に就寝したのだろう
すっかり出来上がった三人に呆れつつ、流れっ放しだったTVを消した