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□深夜3時の狂騒
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PM23:21
「あ〜‥疲れた」
やっと終わったアルバイトに、佐助がはーぁとため息を零す。それにすかさず、隣で歩いていた金髪の美女、幼なじみのかすがが顔をしかめた
「やめろ、つまらないため息など吐くな」
「かすがちゃん手厳しい」
「うざい。その口を閉じろ―というより、私はおまえが息をしている事さえも嫌なんだ」
「……」
かすがの辛辣な言葉に、さすがの佐助も口を紡ぐ
え、それはどういう意味と聞きたかったがかすがの答えは自分をひどく傷つけそうだったので、思い止まる
変わりに違う話題を口にした
「コタ、生きてっかな〜」
「‥ああ、それは、私も心配してる。あいつビルの4階から落ちたが平気なのか?」
「本当にやばい時は連絡あるから。だから、平気‥あ」
端から聞いたらどんな仕事だと思いたいが、内容自体はあるビルの清掃アルバイトだ。
ただ、裏にもちろん秘密があるため大変だったのだが佐助は忘れたかのように手をふり、目の前の相手に対し満面の笑みを浮かべた
「だーんなー!」
某大手自動車会社のブルーグレーのワゴン車。
そこにいた青年が佐助へと顔を向け、答えるように叫んだ
「おお!佐助ー!おかえり!」
「いやん真田の旦那ー!!相変わらず可愛いねー!ただいまー!」
(…こいつ本当にうざい)
そういいつつ我らがグループのアイドルの心を独り占めしている相手への、少なからずやっかみもあるかすがだった。
「よぅ、猿飛!かすが!遅かったな!」
「我を待たせるな」
車の運転席に座る眼帯をした銀髪の男と、その助手席にいる端正な顔をした青年が順に口を開く
かすがが車に乗り、幸村、佐助と後部座席に乗った
「飲みもんと菓子は?」
「先に買って部屋に置いてきた」
「かすが殿、今日はこれないのですか?」
「すまんな幸村、行きたいのは山々だが‥仕事が残っていてな」
「…あれ、竜の旦那は?」
バタン、と勢い良く車のドアをスライドして閉めた佐助がこの場にいないもう一人の仲間の名前を呼ぶ