文
□log
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「髪?」
「う、うん」
一房だけを摘みあげ、
「‥触りたかったの?」
「綺麗ではないか。」
「…そ?」
「うむ!!」
(キラキラな目で言われちゃったっ…冗談で言ったのにさ。まぁ、俺が旦那の尻尾を追っ掛けるのと同じかな?)
「それじゃあ、真田の旦那には俺様ごとあげちゃうよ!」
「うわっ!!」
肩に担いでいた武器を放り出し、佐助はそのまま飛び込み幸村を抱きしめた
受けきれなくて後ろに倒れたが、それでも佐助は離さない。
おずおずと腕を回せばきつく抱きしめてきた。
「もー、旦那ってばちょう可愛い。後で一緒にお茶しようね」
「?、うむ」
自分の何処が可愛いのかは今一分からないが、佐助に抱きしめられるのは好きだ。暖かさと一緒に佐助の匂いがして、心地よさに包まれるからだ
そのまま、佐助の髪に触れる。
(暖かい色だな。)
視界一杯に広がる茜色に、心呼吸をして目を閉じた。
まだ恋人未満。