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「髪?」


「う、うん」


一房だけを摘みあげ、


「‥触りたかったの?」


「綺麗ではないか。」


「…そ?」


「うむ!!」


(キラキラな目で言われちゃったっ…冗談で言ったのにさ。まぁ、俺が旦那の尻尾を追っ掛けるのと同じかな?)


「それじゃあ、真田の旦那には俺様ごとあげちゃうよ!」


「うわっ!!」


肩に担いでいた武器を放り出し、佐助はそのまま飛び込み幸村を抱きしめた


受けきれなくて後ろに倒れたが、それでも佐助は離さない。
おずおずと腕を回せばきつく抱きしめてきた。


「もー、旦那ってばちょう可愛い。後で一緒にお茶しようね」


「?、うむ」


自分の何処が可愛いのかは今一分からないが、佐助に抱きしめられるのは好きだ。暖かさと一緒に佐助の匂いがして、心地よさに包まれるからだ

そのまま、佐助の髪に触れる。


(暖かい色だな。)



視界一杯に広がる茜色に、心呼吸をして目を閉じた。




まだ恋人未満。







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