LostWorld2〜失われた記憶〜

□序章 記憶の扉
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『ほら、早く来いよ、――、―――』

『待ってよ、――お兄ちゃん』


見覚えのない場所を、幼い少女と少年が前を行く少年を追い掛けていく。


それを、少し離れたところから優しく見守っている銀髪の男女。


それは、何処にでもある家族の姿。


幸せそうな家族の姿。


平和な時間




『ただいまぁ。お父さん?お母さん?いないの?』


『兄さん?何処にっ…』


幸せそうな家族から場面が変わり、幼い少女と少年が何処かから帰ってくる。

それは


『来ちゃダメだ!二人共』

『逃げて!早く』

『逃げろ!――、―――!』


悪夢の始まり


「ふん、引き取ってやっただけ有難いと思え」


長く続く孤独の始まり



「熱い、熱いよ」

「何でこんな目に合わないといけない!俺達が何をしたんだ」


ただ生きたかった

それだけだった



「忘れなさい。その方がいいわ。貴方達は向こうで今度こそ、幸せになるの」



そして周りの火の海の中


二匹の黒アゲハが空へ舞った
 

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