□時計うさぎの一日
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「真っ赤になって可愛いっ。冗談だよ、冗談」
 この方は時折、このように私が困るような事を仰られます。私が困るのを分かっていて…。
「暫く経ったら、呼びに参ります」
「ありがとう」
 そう、優しい声でそう仰りながら、笑い掛けられると全て許せてしまうのです。本当にこの方はずるい…。


「ミカエル?アリス様と何かあった?」
 兄さんのからかいには、慣れているのですが…アリス様には。
「別に…何もないです」
 からかう兄さんを無視して、私は朝食の支度を整えます。いつも通りに。
「ちぇっ。つまんないの」
「私をからかっている暇があったら、仕事して下さい」
 と、言っても全然する気配を全く見せないのが、この人です…。
 生まれてから一緒ですので、もういい加減、慣れたものですが…。
「ミカエルは、アリス様の事どう思ってんの?」
 余りに唐突で、内容も内容だったので理解するのに、少々、時間が掛かってしまいました。
「どう…って」
「好きかとか、そう言うイミ」
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