詩集C
□冬の始まりの詩
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冬には夜空が増える
透明な幾つもの層
吐く息が白くなるのも
ぼくにとっちゃ冬だけ
冬に元気をくれるのは
色だ
その奥の奥は
黒っぽい色をしていて
お母さんの髪より黒くて
犬から見たら紫だったり
蜥蜴が見るとコバルトブルーだったりすると
面白い
冬という舞台の上
層を貫いて舞っているすずめの赤さ
これはこの世界で
いちばん強いんだと思う
これを見るときは
大抵赤い自転車に乗っているから
ぼくは冬が大好き
―わたし 元気だけど どう?
―勉強出来ても 人間出来て無い奴 ばっかりさ。
ぼくは冬の夜空が大好き
あの層のいちばん外側の新しい空気をたくさん吸って
いつか 地面が爆発したら
今度は いちばん内側になって
すずめたちのように 小さく赤く燃えるような命になりたいと
願う
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