詩集C

□悪食
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ぼくは一生をかけて
どんな商売をやっていけばいいのだろうか

可愛らしいコップや
溶け易い粉のスープを

泥からかたちづくり
火を起こしてあそぶ

黒ずんだマーケットの隙間を
ぼくの手と足で駆けてゆくのか



初めて汚れた掌を
透かす様に空を仰ぎ見て
溜め息をついたり

誰かが待望していた今日の今

利益を見ると広がる
黒い瞳孔に虹をかけた
さっきまでの雨に

ぼくはやっと人になれたと
寄り添ってなみだを交ぜる



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