詩集C

□何もない道
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誰もがスピードを上げて
白線の外を
自由の裏側を

私は歩いていた
もう とても
ふわり


何も持ってない手を
ポケットに入れたら
温もりが生まれて

何もない道が
何かに満ちていた

でも砂漠のように渇いている

でも深海の真似をして
空洞のない沈黙だらけの道


ぶうと蝿の音がかすめて
やっと静寂が千切れた

後ろからあの人の声が聞こえて
やっと私は振り向いた

でも
私の生きている道では
そうならないように

爪先が戻らないように
下を向くことはあっても


その道は
思い出させる道

白線の道

どこまでも続いている道

何もない道




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