詩集C

□ラブソング
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もういっそ止めちゃいたいことが
この世にはたくさんあるよね
でもそれをやめても
楽しいことがたくさんありすぎて
疲れちゃうよね

僕らには逃げ場がない
誰かに守られるまだ子供
何が逃げかさえもわからないから
まあいいや

キスしたいほど気にいってるケータイ
画面の奥に居場所を作った
"サン"づけで呼び会う仲間達
歯車は錆びそうに回る


リンゴは赤いけど
皮を剥いたら白だ
その甘さをわかり合える
それが君だと思ってる

もうじき夜になって月が光をつくる
夕方の潤った空を食べ尽くしたい
リンゴの様に赤い頬の君と







呪われたように終わらない僕の反抗期
君だって同じだよね
すべてを呑み込んで
けらけら笑うバカな子供には
なりたくないよね


ケータイの奥の歯車には
たまに温かい風が吹く
「私でよければ
なんでも相談してください
嬉しいけど少し恥ずかしい
僕は大人になっちゃったのかな
何が逃げかさえもわからないから
まあいいや


ラブソングはイヤホンに閉じ込められて
右と左を行き来する
息継ぎとシャウトとドラムと君と
そして聞こえるんだ…


最後にもうひとつ
君は僕を変えたよ
美しく かなしく
激しく あたたかく

切なく 真っ白く 荒く やさしく
そんなふうに君は僕を変えたよ
陳腐だけどこれしか言えない

愛してる、愛してる



その甘さを分かりあえる
それが君だと思ってる






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