詩集B

□ながぐつ
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 いちにちめ

ちょっとそこの水溜まりに足を突っ込んでみてくれたまえ

どんな冷たい深い水からも貴方を守れるか試したいのだ

そうは言っても

僕も
プライドに
行き筋に
主の儘の心に

つっこまれたくは無い。

良くみれば この世は
心と心が混在し
こんがらがっていることだ。

まあ…僕は紐靴じゃあないから
解きかたなど知りもしないが。


 ふつかめ

昨日僕を履く人は

「明日は朝からずっと雨ね」
と浅く息をついていたが、

何と正にその通り!


しかし、凄いと思うたのは
「雨」「気温」「死者」どうたらと

よく喋る黒い機械だ。
(テレビというものらしい)



 みっかめ

お日さんは今日も雲に隠れていて
誰かの役に立っているかなど知りもしない。

僕はこの人の足を預かる。嬉しいことだ。

長靴の僕は蟻や雑草を踏みつけながら人間のリズムに乗って歩いていく。

人間とはずるく我が儘な生き物であるが、

人間の知らないことも僕は知っている。これも自慢できることだ。



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