詩集
□交換
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いつまでこうしているの
あなた
写真立てのように動かない
鳥籠の中のわたしは
鉄格子を握る
鳴くこともしない
じっとあなたを見ている
身も心も冷たすぎて
吐き気を覚えた、贅沢ね
あなたの好きな白い色
わたしの羽根を抱きながら
鎖は事切れたと悟る
ずっと見てきたアナタが
愛しくて仕方がないのよ
嬉しいとき
窓際の白い幕をふわふわと煽る
あなたの癖
悲しいとき
後ろ手にドアを閉めていく
あなたの癖
やっと立ち上がって
静かに部屋を出ていった
ドアを閉めたその左手
手のひらがわたしを向いていた
鎖は事切れたこと
その事実が
意識と共に部屋に溶けた
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