短編

□バレンタイン革命
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バレンタイ革命





2月14日


この日に浮かれているのは女だけではない。


男だってばれないように胸を高鳴らせているのだ・・・



「ちわーっす!!」


玄関を開けると銀時と新八が変なテンションで出てくる


「何、何!?どーしたの!?」


私はいきなりのことにドキドキしながら聞くと


「なんだ、おめえぇーかよ!!」


銀時からは野次を飛ばされる


「まぁまぁどうぞお茶でも。」


新八君がお茶を出してくれた


「神楽ちゃん何見てるの?」


テレビに釘付けの神楽が見ていたのは・・・


「バレンタイン特別企画?男の心と体を奪ってしまえ☆」


・・・何これ?


あれ?


「バレンタインっていつ?」


私の問いに


「だからテメーじゃお呼びじゃねぇーんだよ!」


銀時が鏡で髪を立てながら言う


「何よ。どうせ貰えないんでしょ??」


何気ない一言がとても彼を傷付けてしまったらしい


「銀ちゃんの心は飴細工並アルよ。」


丁寧に扱わないといけないらしい


殺気らしきものが感じられみんなが上を向くと


「さっちゃん!!」


「あんたそんな格好で何やってんっすかぁー!!」


なんとも趣味の悪い衣装で現われた彼女にみんな唖然・・・


まぁ、いつもの事なのだか・・・


「あなた、また私の銀さんにちょっかい出しに来たのね!!」


「べ、別にっ!!わ、私はただたまたま寄ったからちょっと・・・こいつに用があったわけじゃないし!!」


「ところで・・・銀さんはどこ?」


みんな心の中で


「目の前にいるやつだよ。」


とか言いながらも声には出さなかった


「神楽ちゃんは誰かにあげるの?」


「私は食べる専門ネ。野郎にやるくらいなら私が食べるネ。」


うーん・・・なるほどなんて考えていたら


「こんにちわー!!」


と言う声と共に桂さんとエリザベスがやってきた


「おいおい、どこのどいつだ?勝手に人ん家上がってくる野郎は!!」


「ふんっ、貴様になど用はないわ。俺が用があるのは・・・。」


桂さんが私を見る


「へ?私っすか?」


自分に指を指して聞くとどうやらそうらしい・・・一体何だ?


「恥かしがりやのお前のためにわざわざ貰いに来てやったぞ。」


「・・・何を?」


「お前・・・まさか・・・。」


「桂さんもチョコレート狙いですか?」


みんな私の返答を待っている


「ぇ?ごめん;私何も用意してない・・・。」


私の言葉にがっかりしたような顔を見せながら


「はははっ、お前は本当に恥かしがりやだな。そうだよな、みんながいては渡しにくいな。」


うんうんと自分で頷くと


「よし、エリザベスここは一旦ひくとしよう。」


エリザベスが看板で「はい。」と出すと帰ろうとする


「おい、あの女来てるだろ?」


黒い服に身を纏った真撰組の土方さん沖田さんが現われた


「桂っ!!」


「ちっ!!」


桂さんは煙幕を使って姿を眩ませた


「山崎ィ!!桂を追え!!」


階段の上から下の山崎に命令をする


「やっぱり、旦那達桂と繋がってんっすか?」


沖田が言うと


「コイツにチョコ貰いに来たらしいぜ。」


「なんだ、野郎も俺達と同じか。」


土方の言葉に


「むさ苦しい野郎共も浮かれちゃったりしてんですかぁ〜?」


ニヤニヤと銀時が笑う


「ごめん;私バレンタイン忘れてて;;」


ポリポリと頭をかくと


「そんなこったろーとおもってやしたよ。」


「巡査中にお前の姿を見かけたんで寄っただけだ。」


ストーカーかよって銀時が小さく呟いてたけど土方さん達には届かなかったみたい



またな。と言って真撰組は去っていった。
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