短編
□温度
2ページ/3ページ
愛しい人を見る
タバコを咥えながらペンを走らせる
たまに止まって考えてみてはまたペンを走らせる
「・・・なんだ?」
あまりに私が見るものだから彼が聞いてきた
「・・・ううん。ごめんね、気が散る?」
にこやかに笑うと
「もう少し待て・・・終らせるから・・・。」
と言うとまた書き始める
大きな手がペンを持つ
すらっと伸びている割に筋肉質で男の人だなっと思わせる
ぴたっ
ひんやりと冷たい・・・
「ど、どうした・・・?」
急に手を触ったものだから彼を驚かせてしまった
「あはは;ごめん・・・大きい手だなーって思って;」
そう言うと手と手を合わせて大きさを比べ出す
「・・・本当だな。いままで気にしてなかったが・・・小さな手だな。」
「だって・・・女の子だもん。」
誤魔化す様にぎゅーっと手を握ってやる
「なっ///!!!」
すると気付いた・・・
手が・・・
温かくなった?
「・・・?」
不思議で彼の顔を見ると
「・・・顔真っ赤ですよ?」
珍しい光景にきゅんとなる
「ばっ///そんな事ねぇーよ!!」
可愛いv
なんて言ったら彼のプライドを傷付けてしまうだろうから
・・・黙っておこう
.