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□abduct from the past
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!コミック未掲載のネタばれあり。
!初代雲が捏造でなくガチで出ます。でも口調はかなり捏造
!さっくりとバイオレンス表現あり
「お前がリングの継承を受けた時に私を含めた歴代とお前の世界が繋がっただろう?どうやら最近お前たちが次々とショダライズしていったせいか今度は私の現役時代とお前の時代がリングを通して繋がってしまったようだ。」
「いやてかそれよりショダライズって何?!」
ことの始まりは家に帰ってさぁゲームでもするかーと部屋の扉を開けたとき、いつもと違うスーツ姿で人の部屋で、人のお菓子をぱくつきながら寛いでいたご先祖様のこの台詞だった。
ちなみにショダライズとは初代曰くオレや山本それにヒバリさんの武器が初代の使ってたものになったことらしい。直訳すれば初代化だ。
abduct from the past
「おはよーかあさ…って、また来てるんですか、初代。」
いつもよりほんの少し早く起きて朝食を掻き込みにリビングに降りると最近よく見る顔が朝の食卓に当たり前のように馴染んでいるのが見えた。
(あー…3日振りか。)
金色のツンツン頭、ストライプのスーツ、そして極めつけは銀色の留め具のついたマント。
どこをどう見ても初代ボンゴレ、死んでもおかしくないツナの遠い遠い先祖なのだが、ツナはもはや驚かなかった。
たとえ彼のおかずもが今まさに初代の持つ箸に捕まり食べられようとしていても。コレも今更の出来ごとであり怒る気すらしないのだ。
「デーチモではないか。こんな朝からどうした?」
「それはこっちの台詞です。オレはこれから学校なんですよ。」
「そうか。私のところは今昼でな。執務の息抜きにお前の顔を見に来たわけだ。」
「人のウィンナー食べながら言われても…どうせ今日も観光でしょう?今日はヒバリさんにちょっかい出さないでくださいね?」
「えー…」
「えー…じゃないです。」
「お前のところの雲は戦うたびに学ぶから育てがいがあるのだよ。」
「ホントあなた何しに来たんですか。」
大方仕事を抜け出して逃げてきたんだろう。最近わかったことは真面目に見える初代ボンゴレはかなり不真面目だということ。
部下の方が追い掛けられないのを良いことに度々こちらの世界に逃げてきているのだ。
その一面を知ったときツナは自分のダメツナと言われる理由は必ずしも自分だけのせいではないのだと安心した。自らの決めた門限に帰るところには違いを見せ付けられのも事実だが。
「おいダメツナ。早く行かねーとヒバリにおこられんぞ?」
「あっやば!ってか何でしってんだよっ」
「カテキョー嘗めんなよ。まぁそうじゃなくてもお前の考えは筒抜けだがな。」
「ちぇ。」
これ以上反論を試みても意味が無いため小さな舌打ちに不満を収めた。リボーンの言うとおりツナは最近付き合い始めた雲雀と一緒に登校している。風紀の門立ちの日にかかわらず遅刻してきたツナに対する指導だと本人は言うがその本心は敢えて触れないことにしている。理由はどうであれ、雲雀と少しでも長く過ごせるのは嬉しい事だからだ。
「じゃあ行ってきまーす!」
「いってらっしゃい、つーくん。」
少し遅れ気味なので急ぎ足で家を出た。一瞬ざわりと嫌な感じがしたけどたぶん寒さのせいだとツナは思うことにした。
食卓にいたジョットもツナ同様何かを感じだが、少し考え込むとすぐに食べるのを続行した。
この嫌な予感があのあり得ない騒動の始まりだったのだとツナはおろか、ジョットも知る由はなかった。