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□迷子の子猫と猟奇的な黒猫。
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ガヤガヤ…
チラッ…
ヒソヒソ…


「………?」

えーと…ただいま買い物に出てます凪ことクローム髑髏…です…。

現在進行形で迷子になっているところなんですが、


「あの…」

ビクッ サササ

「すみま…」

ビクッ ダッ

どうして皆逃げていくんだろ…
いつも通り制服着てトライデント持ってるだけなんだけどな…
たまに小学生ぐらいの子がこっち見てパイナップルって言うし…
おかしいのかなこの格好…
私服の方が良かったのかな、それとも髪型?
結構気に入ってるんだけどなぁ…可愛いし。


髪型服装ともに一般人には十分怪しいのですが、どうやら本人は自覚していないらしい。


「どうしよう…」

千種がくれた地図全然わかんない。
直線と建物の名前だけなんて…簡略にも程があるよ。


普通はそっちの方がシンプルで分かりやすいんですがね。


「…適当に歩き回ったらいつか着くよね…?」

並盛から黒曜までは2時間ぐらい掛かったけど…
コクヨーマートは市内にあるしね


はぁーと幸せどころかいろんのものが逃げていきそうな盛大なため息をつき、ことの経緯を思い出してみた。



3時間前。

骸が力の回復の為しばらく内側で眠ることになり、暇をもてあましていたクロームはぼーっと本を読んでいた。
表紙には『門外不出!六道骸の髪型帳☆』と書かれていた。(著:六道骸)


「キレイなジグザグって意外と入れるの難しいんだ…」


そんな事を呟きながら、分け目の作り方のページを凝視していると、犬が部屋に入ってきた。


「クローム今暇ー?」

「うん、まぁ。犬…どうしたの?骸様はしばらく出てこれないよ?」

「骸さんは別にいいんらけど、今柿ピーとポーカーしてんらけどあいつだけじゃすっげ静かでつまんねーからお前も混ざるびょん!」

「ポーカー?」


聞いたことのない単語にクロームは首を傾げた。


「げっお前ポーカーしんねーの?!まっいーや。教えてやっから早くくるびょん!」

「えっちょっ…まだ栞挿してない…」

「そんなんあとでいーって!」


半強制的に犬はクロームを引っ張っていった。
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